女ば 引っかけろ〜ぜ

昭和55年あたりの天神

特に フタタがある角あたりかな

引っかけてもらいたい女が 
都合よく2人組で うじゃうじゃ おった

まあまあの顔の男が、まあまあの車に乗っとったら
ほぼ 100パーの確率で ぶりこが乗ってきよったね

だけんまあ オレらチームは 
カタンで帰ったことはないなぁ

自慢じゃないけど、、、

手筈はまず、オレとダチが2台で天神まで行って
1台は 博多埠頭あたりに置いとくわけよ

そんで1台で流しながら
めっちゃ可愛い娘がおったら 窓開けて言う

「なんしようと〜?」

だいたい返事は

「な〜もしよらん」 やら 「息しようと」 やら

中には 

「あんたば待っとったったい」 

やら 粋なこと言うやつもおるよね

ところが可愛い娘の前には 何台も順番待ちしとう車がおったりして

しまいにゃ

女の取り合いで喧嘩になることもあるわけよ

昔は やーこも混じっとったからね

そこでオレは考えた

女たちのだいぶ手前で オレだけ車ば降ろせ
そっから歩道で口説いて 車まで連れてくるからってさ、、、

その声かけね

第一印象で決まるから けっこう難しいんよ

テクニック的には 何種類もあったばってん

少し紹介すると、、、

「おお〜ごめんごめん!待ったろう? 行こうか」

「うわぁ〜!ちょっと可愛いかぁ〜あんた〜ち」

「中学ん時同級やったね オレたいオレ!何しようとここで?」

とまあ、こんな感じで

初対面の相手に 嘘ばっかい言うて笑うと落ちるんよ

「もう、遅かったやない!」

なんて言われたら

その後に付き合うってのも濃厚だよね
そして肝心なのは さっと手を握ってしまうということ

そして 妙に遠慮はしないこと

やつらだって 声かけてもらいに来てんだから
単刀直入の方が スッキリするんじゃないのかな

まんまとデートの相手ば見つけたら どこ行こうか?
志賀島? 唐津? 近場で 油山?

腹が減ってるって言うなら 西通りか親不孝か
炉端焼きでも食って スナックかカラオケ行こうぜって なるよね

もちろん女には金は出させんよ
とにかく全額 面倒みるのが 昭和の男やったけんね

ちやほやして あげるだけあげて
めちゃくちゃ笑かしてあげる

そして午前2時

さあ帰ろうって時が勝負よ

女二人を 自宅付近まで送り届けるだけになるか

はたまた 

できたてのカップル同士で別々に帰るのか、、、

ダチのほうの女が ちょっと引き気味だったりすれば
オレが店の勘定を済ませて 先に出て

連れの女に耳打ちするわけ

「ここで二人で 消えちゃおうか」

この 消えちゃうって言葉が素敵なんだよね
トレンディードラマで 覚えたんだもん

なんかこう文章にすると
オレってとっても悪いやつみたいやね

石田純一さんのこと 笑えないよね

でもさ、ホントに女の子たちにしても
どんな車を持ってるかで決める! みたいな

当時は 欲望が支配する世の中だったのよ

東南アジアなんか旅すると
その経済成長の俗っぽさみたいなもん臭ったりするんで
懐かしい気もする

ま、そういうわけで

その先は もう書きませんが

博多はナンパって言葉も使わず
「女ば引っかける」 っていう ダサイ時代やったけども

やっぱ楽しかったよね〜

しかし

そっから結婚までいったってのはどうだろ 
オレを含めて あまり聞かんかな

男ってのは ずるいからさ
いざ結婚相手となると 真面目な娘というか

精神的に楽な女性を選ぶもんなんだろうねぇ〜

ま、とりあえず すいません。