唐辛子 事件

正月の ある日のことやった

高校に行きよらん ダチの Y から
昨日の電話で 新年会でもせんや?って 

呼ばれとったんで

オレは ダチの F も誘って
土産にキリンビールと ハイニッカば買おうて思うたわけよ

ばってん 

ただ買っても つまらんけん

さっそうと酒屋に参上したオレらは 

予定通り

F がウイスキーの銘柄で質問しまくり

オレが そのすきに
煙草と するめと ガムば かっぱらった

そんで ルンルンで 

オレらは Y んちに着いて
ドカドカッと 部屋に入ったらくさ

Y の野郎 まだ寝てやがって
妙なブス女まで ふとんに入っとった

「おお〜っと 失礼しましたぁ〜」

みたいな感じでね 
オレらだいぶ待たされたんやけど

いいよ〜って出て来た女の 
化粧後の変わりようには まあ 驚かされたよ

これだったら オレでも引っかけるわなぁ〜
しかし さっきの顔はヒドかったよなぁ〜なんて

内心思いながら まあ新年会は始まった

いつもの どんちゃん騒ぎが
2時間ぐらい続いた頃かねぇ

Y が 煙草の先に七味ば付けて吸うて
なんか すーすーしたぜって言いだして 

それがきっかけで

唐辛子ば 中に入れて吸うてんどうか?って なって

オレは 煙草の葉ば半分出して
中に 唐辛子ば千切って詰め込んで吸うてみた

一服、、、二服、、

そしたら突然!

喉に火炎放射器でも食らったごとなって
ゲゲ〜ッって 洗面所に行って

水道の水ばがぶ飲みしょうが なんしょうが
喉と肺の激痛が治まらんで 30分ぐらい苦しんだ

もう〜 涙とよだれが止まらんし
顔面は 赤紫色に充血しとるし

あれは マジ 死ぬかと思うたぜ

「ほんなごとや おまえ〜」

相変わらずの バカF が 横で笑いながら言うけん

「なら おまえも吸うてんやい?」

って言うたら、 あのバカ ホントに吸うてくさ
またオレと同じく 洗面所に走って行ったげな〜

やっぱ バカは
自分で体験せんと分からんらしい

そしたら 今度は

その化粧美人までもが 吸おうとするけん
さすがにみんなで止めたよね

そうとうなバカだろうってことは分かったけど
しかし 化粧した顔は いい女だった

素顔の時はねぇ 目が 糸みたいでね 
青白い土偶みたいやったんよ

何度も言うけど 女ってこえ〜

あれから 女の見方も変わって
化粧に惑わされんごとしょう! 

って ダチ同志で 決めたもんだ。