相島キャンプ 終章

気が付くと

朝に なっとった

体ば起こそうとして いてぇのなんの
岩場の上に 寝とったんよ オレ

何人か 泳ぎよった

Fが元気そうに、、あのバカが、、、

オレ のろのろと焚火の側に行って
先輩の横に座って 煙草に火をつけた

「おまえねぇ、、、」

「さーせん、、、」

まあ 言葉も続かんまま
オレらは 青い空に 煙ば吹き上げるだけやった

「ビール まだあるじぇ、、」

「さーせん、、、」

先輩は 

終ったことは 別にいいぜって意味で笑い
オレは 反省してますって意味で笑った

男は それでいいわけよ
言葉にせん方がね

クーラーBOXから キンキンの缶ビール
妙に うまかったなあ

帰りの準備になって

目ば合わさん一年ば集めて 
オレは言うてやった

「今日からおまえらは 真の男になった! おめでとう。」

みんな 青い顔で
なんとなく 納得しとらん感じで

こりゃあ、、深い溝ができてしもうたかなぁとも
思うたばってん

その後 練習の帰りに たこ焼きやら食わせるうちに
元に戻った気がした、、、オレとしてはね、、、


このキャンプ話はね

水泳部としては けっこう伝説化してね

オレが三年になって 次の一年が入って来た時に

二年が自慢しよったとば 
こっそり聞いたんよね

「おまえら オレの根性焼きば見てんやい
  こんぐらい 気合いの入った男に なれよ!」

おまえ ヒーヒー言いよったくせに〜って
言いたかったばってん

そこは 二年の顔ば潰すわけにはいかんやろ
タスキを渡さないかんもんも あるからね

あいつら しかし

大人になっても この話で酒飲んだろうね

高校ん時 
頭のおかしい先輩からやられたってさ

面白おかしく ボロカスに言われとると思うよ

あん時は

ごめんね ごめんね〜