昭和の頃ってさ
社内恋愛とか 隠す傾向にあったもんで
誰と誰が付き合いようか分からんし
迂闊にブスの批判やらできんやったんやけど
まあ、不倫のカップルも多かったよ
万人が物を欲してる時代だったんだろうね
現代社会より 圧倒的に多かったと思う
そんな ある日
別の営業所に I さんて先輩がおって
酒飲んでる時に 社内の女の話になってね
そんで
その先輩がえらい勢いでさ
「うちの会社には いい女が一人もおらんめーが！
おまえ、誰か付き合いたいて思う奴 おるや？」
って 言うけんさ
ほ〜 今日は強気で言うやん、、、
この調子やったら社内に彼女はおらんっちゃろうね〜って思うて
オレも安心して本音ば言うたんよ
「オレんとこの営業所も最悪っすよ〜、もう動物園っす、
特にあの S って先輩、歯とか肌とか汚ねえやないすか〜
オレ生理的にダメっすわ〜」
「この前の社内ピクニックん時も、オレの車に乗りやがったんすよ
煙草もプカプカ吸いやがって、話もぜんぜん面白くないんすよ〜」
そう 言うたんよ
そしたら先輩が ガッハッハッハ〜！って笑って
煙草に火を点けて、、、
しょぼんと 下向きんしゃってね
オレ、うそやろ、、、って
「まさか S さんと付き合いようとですか？」
って 聞いてみたら
「うん、、、他のやつに言うなよ、、、」
ってさ
うわぁ〜〜 やってもうたぁ〜
さては 自分の彼女のことを他人がどう評価しとるんか
それとのう 知りたかっただけやったとね
「先輩 傷つけたんなら すんませ〜ん！」
って オレは慌てて謝ったばってん
怒らんとよ、優しい先輩やけん
「いや、もういいよ オレも少し そう思いよったし、、、」
みたいな
思いよったんかい！ って突っ込みたかったけど やめた
その後 二人を見守りたかった、、、
ていうか 興味本位で観察しとったけどさ
あんがい早くに 二人とも会社ば辞めんしゃって
あと どうなったんやろか
それがきっかけで別れたなんて
言わんでよね。
