ばばショップ での事

昭和53年ごろ

国鉄 香椎駅」の駅前広場には

左手に 「ばばショップ」 があった

まあ 煙草とお菓子とパンやら あって
季節に応じて 豚まんがあったり

ステンレスの四角い水槽で牛乳が温めてあったり
夏は「ラムネ」が冷やしてあったり

なんで 「ばばショップ」かと言うと
ばばあが やりよるけん
K高は伝統的に そう呼ぶんよね

そこって 奥にベンチとテーブルがあって
だいたい K高のヤンキーがおって

みんなの憩いの場所であり 待ち合わせ場所やったわけ
そこのばばあとも 仲が良かったしね

でも 煙草は駅のトイレで吸わないかんよ
先公も ときどき来るけんね

ある時

新入生の一年の女の中に
オレと付き合いたいってコがいるって伝言で

じゃあ放課後 ばばショップに来てんやいって なって

オレ 期待しとったとよ

最近 電車で よく目が合う一年の女が
めっちゃ可愛いけん そいつやろって思ってね

そしたら 全然違う まるっとブスが来て
手紙書いてきました〜やら言うけんくさ

「いや、 ちょー遠慮しとこうかね、、、」

って 言うたら なんでですか〜って
声でかいし 空気が読めん性格が丸出しやったんで

「いや、オレとおまえじゃ 人種が違おうが〜」

って わけわからん返事で逃げて
とにかく帰ってもらったんやけど

あとで 一部始終ば目撃した 
ばばショップのばばあが 笑いだしてね

「人種が違うて? あんた何人ね?」

って言うけん 

「オレは 遊び人たい! だけん自分の学校の女とは
 付き合いたくないわけよ」

って 言ってやったら

「遊び人なら もうちょっとマシなフリ方 あろうもん」

って さらに爆笑された

ちぇっ ばばあ しゃーしかね〜 とは思うたばってん

ダチが いっせいに

「おばちゃんに1000点!」

って 言いやがった。