だっちょうキューピット 其の二

でかい看護婦の N と

付き合いだしたばってん

そいつは東区で オレは早良区

迎えに行くのが
ちょっと面倒くさいんだよね

その頃は とにかく会社が忙し過ぎて
夜の11時頃まで 残業が終わんないのよ

それに看護婦も激務で
夜勤とかあるんでね 

深夜に会うていうても お互い疲れとるし、、、

それに

携帯がない時代だけに 電話もできんやろ
もう無理かな〜って思いよったら デートの誘いがあった

その日は

久しぶりにデートで映画観て
飯のあと、どっか泊まろうぜって オレが言うと

「今日中に、女子寮に帰っとかんとマズイ!」 

って言うわけよ

やっぱ外科ってのは 緊急が多いからね
看護婦長って 怖そうだし
命を救うためだ、仕方ねえかぁ〜て 諦めかけたら

「女子寮に、忍び込んでみる?」

って 言うんで

なんか妙に ムラムラリ〜ンときて
犯罪者のような気持ちで 計画を断行したんよね

非常階段から、、足音を忍ばせて、、
たまらんやったなぁ〜

N の部屋に入ってからも 小声でしゃべって
イカやら 切ってもらったりして

そらぁ幸せな時間でございました

朝は朝で

4時半ごろ起きて 
バイバイ言うてから こそ〜っと女子寮ば出て

5時過ぎから 会社の駐車場で寝て
そのまんま仕事したけど ルンルンやった

ばってんたい!

次の日、N から電話で
婦長さんに バレとったげな

しかも

「どんな彼氏か、品定めしてやる!」

って

後日、先輩の看護婦からオレまで呼び出されて
いろいろ 質問攻めにおうてしもうたとよ

その先輩ってのが ブスでねぇ〜

「どういう気持ちでお付き合いしてんの?」

やら 聞くけどさ

腹ん中じゃ 

「てめえの心配してろよアホ」 って思ったよ

な〜んか 急に

全部つまんなくなった

まだガキやもん、気が短かいし面倒くせえよ

寮母さんに 電話ば取次いでもらうんも
なんか面倒くさくなって 電話もせんやった

しばらくして 一度

デートの誘いを断ったら それっきりよ

若さって 痛いねぇ。