8月の くそ暑い日だったのよ
今年は 九電体育館やなくて
スポーツセンターに 永ちゃんが来るっていうんでね
高校最後のコンサートになるし
死ぬ気でチケットとって
絶対すげーこと やっちゃらないかん！
って 思いよった
（何ばや？）
確か メンバーは KSS
K高スケコマシ三人衆やったと思うけど
永ちゃん命！な 三人揃えて
気合い入れて 行ったわけね
そんで いつものごと
永ちゃんが出てきたら
他人を踏み倒して ドバァ〜って前に突っ込んで
折り畳み椅子ば ぐちゃぐちゃにしながら
最前列まで 進んだんよ
あの日は すごかった
派手な喧嘩もあったなぁ
オレたちの すぐ横の暴走族の連中が
5 対 5ぐらいの殴り合いば始めて
ぎゅうぎゅうやったはずの客席が 丸く空いたもん
そいつら 紅い特攻服と 白い特攻服だもんで
紅白試合みたいだなぁ〜なんて 思いながら
ぶっ倒れた奴が オレに倒れ込んできたりして
オレも けっこう痛かったけど
永ちゃん見なきゃね！ それどころじゃね〜んだよ
そん時はね
永ちゃんは歌い続けよったんよ
全国的にそんな状態やったから
永ちゃんも 慣れたもんやったかも知れんね
そして
盛り上がりも ピークにきて
何の歌やったか忘れたばってん
なんかオレら 頭のヒューズが飛んでもうて
「行くか！おしっ、上がれぇ〜！」って
うわぁ〜っと ステージに這い上がって
永ちゃんに抱きつこうとしたんだよね
そしたら 永ちゃん
マイクをポーンと投げて
走って舞台のそでに 逃げていっちゃった
そりゃそうだろ
あの頃は 神様だから
一般市民と触れ合うことやら できるわけねえ
コンサートは 騒然よ
そんで興行側の人間が出てきて
「このような行為がありますと、コンサートは続けられません
お客様が約束をしてくれるならば もう一度 矢沢永吉さんに
本日の再出演の交渉をいたします」
って 言うやない
オレらさ まわりのヤンキー達からさ
「永ちゃんが出てくれんかったら 貴様んたちゃ殺すぞ！」
ってさ
限りなく本気に近い 死の宣告ば されてね
祈ったよ〜マジで 自分のために、、、
そしたら 永ちゃん出てくれて
「オーケー もう1発行こう！ もう1発行こう！」
って
特にお叱りもなく 続けて頂きました
かくして
翌年あたりからでしょうか
これは博多だけかも知れません
よその県の事は分かりませんが
矢沢永吉さんのコンサートには
最前列に バリケードが設置されるようになりました
その後も
特にアリーナ席では
SS席 と S席 の間にもバリケードが設置されましたね
本当は永ちゃんも
客の目の前で ツバを飛ばしたいんでしょうし
ぐちゃぐちゃの客が たまに失神するってのが
ロックの神髄とは思いますが
そういう下品な過去をへて
現在のスタイルになったのであります
あの時は すいませんでした。
あっ ありました
