家出 「少女 A」

ダチから 電話で

「オレんちに ちょっと、、来ちゃらん?」

って 言うけん 行ってみた

部屋に入ったら 
ガキのごたあ ヤンキー女が ちょこんと おった

「なんや こいつ? おまえ まさか、、、」

「そうたい、 まさかの家出娘たい」

女が 煙草ば吸いながら

あごだけ出して会釈しやがったんで ムッときたけど
顔は まあまあ 可愛かったんよね

名前は A  「少女 A 」やった

たまたま オレの女と同じ名前で
ありきたりな 濃い〜い昭和の名前やった

「おまえ どっから来たとや?」

「やっちろ、、、」

「八代や? 国鉄で来たとや?」

「うん、博多駅で この人に声かけられた、、」

ダチが にやけた

なるほどね、 ナンパしたら 家出少女やったわけよね

女に まあゆっくりしとけって言うて
オレらは 煙草ば 買いに行きつつ 策を練った

「おまえ、かーちゃんが夜勤から帰ったら くそ怒られて
     絶対 あの女の実家まで届けるって言いだすぜ」

「多分ね、、、」

「それに あの女 どー見ても中学2〜3年ぜ」

「うん、多分ね」

「おまえ もう したとや? ゴムなしで?」

「うん、、」

だろうね、、

気持ちは分かるばってん
こういうのが 

アホヤンキーの ダメパターンなんよね

子供でもできた日にゃ もう 青春の一ページが終了するわけよ

オレは とにかく

今夜から一人暮らし女のとこにあずけれって言うて
その女ば 連れて行った

そこ スケ番クラスの溜まり場やんね

アンポンタンなりに 同性から学ぶもんが
大きいんじゃないかと思って あずけたんやけどね

その女も だいぶコキ使われよったし
めちゃくちゃ 説教もされよったらしくて

3日目に どっかに 消えたって

「港のヨーコ・ヨコハマヨコスカ」 やね、まさに

あいつ どうなったんやろ

可哀そうでは あるんやけど
バカな度合いが 低すぎるんでね

どうにも 話しても 救えんわけよ

そんな話
けっこう 当時はあったよ

大阪ぐらいまで 流れて
住み込みで 水商売って 感じが

いいほうだろうね あの子ら、、、。