ストレートのジーパン

オレんちの親父が映画会社やったけん

ガキのじぶん
映画は たいがいタダやった

おかげで 

燃えよドラゴンやら ジョーズやら
気に入った映画は 何回も行ったやね

だけん 

デートのネタに困った時も

親父の机から映画の券の束ば出して
てきとうに 持って行ったりしよったら
決まって親父が

「おまえ、そら誰でもは もらえんとぞ!」

って 自慢しよった

ただし 日活ロマンポルノはないけん
ていうか 親父が捨てよったとかも知れんけど
ポルノは 自腹で見よったばい

そんな ある日

エーゲ海に捧ぐ」 って映画が大ヒットして

金髪のチチョリーナ! 前張りもないげな
しかも 芸術作品という大義名分もあるやろ

そげんなったら どーしても見たいやん

だけん券ば二枚 持ち出して
彼女に電話したわけよ

「青春物の綺麗な映画ば見にいこうぜ!」 って

で、 行きました

看板見ても そう卑猥さもなく
オレらは ポップコーンやらコーラやら買って
一番うしろの席に 陣取ったわけたい

映画が始まったら
これがまた バリバリやらしくて

「もう〜 なんこの映画?」 やら

彼女に怒られながらも
楽しんだとは よかばってん

ストレートのジーパン
履いて行ったとが いかんやったぁ

もう ギンギンやもん

あいたたー言うて
オレがモジモジしよったら

「あんた 頭おかしいっちゃないと〜?」

やら 言われて

また しばらくしてエッチシーンがあると

あいたた〜 って なって、、、

今度から ジャージがよかな〜って

思うたばい

あらぁ やおいかんやった。