おじさんを追悼して、、

先日、書家だった叔父の 七回忌法要がありました
そして、とても記念になる仕事をさせて頂きました


この二つの掛け軸は、叔父の形見として頂いたもので
皆様ご存知のように、僕の個展では必ず持っていくお守りです

今回の仕事は、叔父が残した書を模写した一閑張りの篭を
法事のお返しにしたいという 叔母の依頼で

一年前の11月から 取り組んできた作業でした


叔父は、たくさんの作品を残していますし、一つの篭に三点ほどは
のせて皆さんに紹介したいと思いまして
来る日も来る日も、、、手描きの模写を続けました

かすれも、はねも、墨の飛び散り具合も 慎重に、正確に、

叔父は、歴史や考古学や骨董の知識に基づいたデザインを考え
バランスが良い、完成された書体を信条としていましたから
模写をしていても時々、筆をどう走らせたのか読めず
叔父の気持ちになりながらの悪戦苦闘でした


書の模写を73枚書き上げ、23個の篭に張り付け、第一回目の柿渋です
他の仕事もあるので ここまでで3ヶ月かかりました


そして、柿渋を繰り返し塗り、天日干しをします
この、醤油せんべいのような色になるまで、約半年かかります


皆さんが喜ぶのかどうか 不安ではありますが
このような法事のお返しは とても珍しいでしょうし
なにしろ叔父は自分の持つ才能を 他人に見せるタイプではなかったので
はじめて作品を見る人が多いと思われます

叔母の話だと、けっこう好評だったようです
ありがとうございました



(故、鶴田光冶氏と書道展にて、、、)


叔父の法要は 箱崎の一光寺で行われました
叔父は愚痴をこぼさない、他人の批判をしない、立派な人間でした

晩年は書のデザインとコラボで ストールも数点作らせてもらい
次の作品が楽しみだなぁと思っていた矢先に 65才で癌に倒れたのです

やりたい事があっても、やれなかった人もいる

身内の死や、大きな災害で、僕は40代で人生観が変わりました
人の批判をしたり、羨んだり、思い悩んで足踏みする時間はありません
充実した毎日を、大切に生きなきゃ!と、あの時から思っています


お寺で、後輩のじゅんに会いました
このお寺に墓参りに来たんだって、奇遇だったね。