便所がなくてさ〜

昭和の時代は

女がドライブに連れて行ってくれって言ったら

まあ だいたい

西の方 (唐津方面) に走ることが多かったね

今はもう唐津までバイパスで早いばってんね

その頃は 
下の道ば、ひたすら走ったもんよ

そんで二人とも飲んでるんで
やっぱ しょんべんが近いわけ

「やばい、あたし おしっこしたくなったぁ、、、」

そりゃ夜だしさ、男はいいよ
電柱でも、草むらでも、気持ちいいぐらいよ

でも女は そうはいかんよね

いかんけどさ、、 深夜の二丈町あたりじゃ
便所やら 当時ほとんどないんよ

コンビニがない時代やし
24時間営業の会社なんか ほとんどなかった

「虹松の公衆便所か、浜辺で野しょんしかなかろうやぁ、どげえするや?」

「どこでもいいって、やばいて言いようやん!」

こいつ、なん切れようとや?、、

って オレは思いつつ

虹の松原の 樹海のトンネルに突入したオレは
確か公衆便所があったよなって 思った

それがよ

着いてみたら 怖いのなんのって
月もない松林の中は ほんとに真っ暗なのよ

とりあえず 車のライトで便所ば照らしてはみたもんの

まわりが真っ暗で 余計に怖いわけ

「ねえっ! トイレの前で見張っとってよ!」

「お、おう、、、」

なんちって 煙草に火ばつけてみたもんの

ちょっと前に観たオカルト映画の
エクソシスト」 やら 「サスペリア」 やら思い出して

オレまでが そうとう怖かったやね

あの頃 大変やったとよ

一度なんか 

博多埠頭かどっかで 
どしゃ降りん時に 車でちちくりあいよって

女がしょんべんしたいて言いだしてくさ
倉庫の隅でやってる間

車と黒い傘で 隠してやった記憶もあるよね

それはそれで 

まあ とってもエロかったし
それができる下品なヤンキー女たちが

オレはとっても好きだったってことやね。