ダチと 二台で走りよった
オレの助手席には 女が乗っとって
まあ 馬鹿話でもしよったかな
あれは 飯盛神社あたりの道路やったなぁ
なんだか
小さい金色のものが飛び出してきて
あっと 思うたら はねちゃって
「ギャッ」 って聞こえたよね
車ば降りて見たら
イタチ君が 即死しとった
棒で、草むらに運んであげたけど
あん時は ほんとごめんね〜
「急ブレーキふんで どうしたとや？」
ダチも降りてきたけど
イタチ殺してもうたぁ〜 言うて
気を取り直して また走った
「そういやぁ紫のケンメリの先輩、事故ったっちゃろ？」
女が聞いてくる
「おお、この前どっかで路側帯に乗り上げてくさ
ゆっくり一回転して 屋根から落ちんしゃったげなぜ」
「死んどんしゃあと？」
「うんにゃ、全治三週間げな、運のよかろうがあの人」
みたいな話
しよった時やった
ドシャ〜ンって 重い音がして
先ば走りよったダチの車が 急ブレーキば踏んだんよ
だけんオレらは
何事かって思うて
急いで車ば降りて行ってみたら
ダチが でかい秋田犬ば ひいとったんよ
今日は動物ひくよね〜って 言うとる場合やなくて
幸い 深夜で
目撃者は おらんけど
犬も即死やし ダチの車もグシャリやったね
「これ、どげんすりゃいいと思うや？」
「これはやってもうたろうやぁ、首輪付けとうけんねぇ
飼い主から慰謝料って話も出るかも知れんね、、、」
「オレ警察は呼ばんばい！改造も捕まるもん」
「なら、逃げるしかないたい」
「オレのフロントグリルはどげんなるとや？」
「そらやっぱ、、、自腹やろな」
というわけで
オレらは
その場から逃げてしもうたとです
犬好きのダチは 悪かったって思ったんやろね
それからけっこう落ち込んで
よく分からんけど
ひとまず宗像大社にお参りに行ったりして
反省しとりました。
