白の ダブル

高校の時から

ずっと夢見たことのひとつに
白のダブルば 仕立てるってのが あった

これはなにも

矢沢永吉さんに憧れて」 

じゃないばい

矢沢さんも当時 確かに白も着たけど

「止まらないHa〜Ha」 でトレードマーク的になるのは

何年もあとの話でさ

オレが憧れていたのは 
東映やくざ映画なんだよね

とにかく

「チンピラ」 に、なりたかったのよ

そんで
中州に飲みに行きたかったわけさ

そんな服、今じゃダサ過ぎて 信じられんめ〜けど

当時の若者は 
けっこう本気で そんな恰好やってたんだよ

そんな時

会社に 訪問販売の紳士服屋が来た

昭和の頃はね

会社の昼休みとかに、保険と車は勿論のこと
宝石屋やら、紳士服屋やら、互助会やら

いろんな業者が来てね

景気がどんどん上がってっから
みんなボーナス払いで 買っちゃうんだよね

だけんオレも

「白のダブル、5〜6万なら作るよ!」

って 言っちゃって
イタリアか何かの生地で 6万で作った

昭和55年の6万って かなり高い買い物よ
上着は体に合うように 細目に寸法をとってもらって
ズボンは ややボンタンぎみに仕上げたつもり

当時は カッコいい!って思ったな

「あっ、そうや カッターとネクタイがいるなぁ〜」

ってことで 今度は 

天神地下街やら ビブレやら回って
ワインカラーのカッターと ヒョウ柄のネクタイば 買った

仕上げには 白のエナメルのシューズ!

これで バッチリよ

肩で風切って歩けば 人が避けて通る
でも、今考えたら、、、

あいつ頭がおかしいって 思われとったかもね

なんか自分でも

ヤクザなのか ロカビリーなのか コスプレなのか

よく分かんないけど

18才だもんな

ちょっと 気恥ずかしい思い出だね



* 1980年、会社の忘年会で撮影
  靴下が黒ってのも ダサいね(笑)