若い時代ってのは
ヤンキーやなくても
まあ バカやもんね
気は利かんし 常識はないし
面倒臭がるし すぐ怒るし
部屋に観葉植物やら つや〜に置いて
女に いい人アピール しても
すぐ飽きて
水ば やらんやったり
日に当てる思いやりもなくて 枯らしたりね
女と 祭りに行って
金魚すくいで盛り上がって
金魚飼ってみても
水替えが面倒で どぶの臭いがしてきて
とうとう 近くの池に 逃がしに行ったりして
結局 当時 オレがまめなのは
女への電話だけやった気がするよ
そんなオレが
やめときゃいいとに
セキセイインコば ツガイで二羽
女から もらうようになった
そいつんちは インコば交配させて殖やすぐらい
かなり ペット通の家で
飼い方やらも 熱心に習ってさ
バイト代の中から頑張って 上等な鳥かごば買うわ
飼い方の本は読むわで
真剣に世話する はずやったんよ
それがたい
「ああ〜 水が古いね〜」
「ああ〜 餌が少ないね〜」
「ああ〜 くそが溜まっとるね〜」
って 分かっとっても
明日の朝に換えてやろう思うて 寝て
朝になると 飛び出して学校行って
ああ〜忘れた〜って思って
帰りは ダチに誘われて
夜中まで 酒飲んで 遊んで
ああ〜 また忘れた〜 の 繰り返しで
とうとう
ぐったりし始めて
二羽とも 同時に死んでしもうた
やっぱ
人格が出来上がるまでは
簡単に動植物ば 飼っちゃいかん とは思う
まあ でも 動物ば死なせる経験は
子供の頃にやっといたほうがいいとも 聞くじゃない？
だけん 自分の子ができたら
いったい何を飼おうて言いだすかなぁなんて
思いよったんよ
そんで
時は流れて、、
オレの娘が 小学生の頃
ハムスターを飼いたいって言いだしたわけね
オレは 世話すんのか？ 大丈夫か？って聞いて
絶対やるって言うけん
買ってやったんよ 6匹ぐらいね
そしたら な〜もしやがらん
抱っこして シルバニアファミリーと遊んで
あとは知らんぷりたい
水が緑色になりかけてんの見て
慌てて家族が 世話ば始めたばってんが
時すでに 遅し
毛が抜けてきたり 腹が膨らんだりして
ぜ〜んぶ 死んでしもうて
オレが 大げさに
命の尊さば 説明してやったけん
本人は ちょっとショック受けとったし
勉強にもなったろうけど
おお〜 やっぱおまえも自己中かぁ
なんて
内心 思ったりもしたね。
