族の連中

いわゆる 暴走族ってやつ

オレは一度も
入会したこと ないなぁ

前も書いたかも知んないけど
オレは 世話になった恩人ならいざしらず

簡単に人ば尊敬したりもせんし

憧れる事も あんまりない

年上が威張っとる集会やら 
特にまっぴら御免やね

百歩譲っても

もしやるなら 自分で族を作るよ

でもオレは 

気の合う仲間で
カツアゲやったり 物かっぱらったり

カネさえありゃ 女か酒につぎ込んで
それが一番 楽しくて

移動は チャリで十分やった

それでも たまに

ダチの走りに付いて行ったこともあった
COOLS のジェームスみたいに にけつでね

そりゃ気持ち良かったよ
あれ、すっ飛んでくって 感じかな

涙なんか ちょちょ切れたりして
死んでもいいかなぁ〜なんて 思って乗ったね

でも それだけやった

ジェットコースターに何度も乗りたくないのと同じで
暴走に命ば燃やしとるやつらには悪いけど

オレの中では ひとつの娯楽にすぎんやった

友達がたくさんできることにも
そんなに興味もないし

それにときどき 
死ぬ奴もいんじゃん

それは もったいないし バカかと思うよね

まあ ついてないから死ぬんやろうけど

世の中 面白いことは ごまんとあんのにさ
知らないまま若者が死ぬってのは 

残されたもんにとっても 辛いもんがあるわけよ

喧嘩やら暴走は 確かに勇気がいるよ

それが出来るのは ほんの一握りの若者で
実はオレ けっこうすげーことやろうと思う

だいたい人間は ほとんど臆病よ

族の連中だって 8割は普通の少年で
さびしがり屋さんが 多いもんだ

ばってん 

真面目ぶっとる奴よりは まだましじゃないの

真面目に生きることが世の中の常識になっとるけど
やれね〜やつが批判すんなよって 

ちょっとは言いたい

でもねえ

いい女いたら すぐ声かけてみるのも 勇気やし
背伸びして 中州に行ってみるのも 勇気なんだから

もうちょっと柔軟にさ

楽しんで生きてほしかったって

あの頃死んだやつら見て 

オレは思ってたね。