ほのぼの デート

一度約束したら

絶対 遅れたらヤバイ 昭和のデート

そらそうよ 携帯がないもん
遅れそうでも その場で待たせることになるよね

その日は

女から地元で会おうって言われて
西戸崎に オレは午前9時にちゃんと着いたわけ

そしたらいきなり女が

「ごめ〜ん、やっぱバイトが入ったっちゃんね〜」 

 げな〜

オレが 「もうよか!」 言うて 怒って帰ろうとしたら
女がバイト先に来てくれって言うんでね
しぶしぶ 行ってみた

確か レストラン 「ジャルダン」 やったろう
あいつ、10時から4時までの勤務やったと思う

とにかく オレは開店から席について
まあ コーヒー飲んで 煙草でも吸うて

同僚の女の子から ちら見されたり
彼氏さんですかぁなんて 小声で言われたり
「見世物」にも なっとる感じで

やっぱこれ 間がもてんなぁ〜なんて考えてると
制服に着替えた女が ちょろちょろ働きだして

「ん、ちょまてよ、、あいつ あげん可愛かったか?」

って思うぐらい

なんか すっげ〜可愛く見えてきたんよね
あれって何だ 制服のマジックかなぁ

そんで 

ちらっとこっち見ては
Vサイン出したり 舌ばペロッと出したり、、、

昼前になったら
オレの大好きな スパゲティーナポリタン ば
勝手に持ってきて

「お金いらんとよ Rちゃん!」

やら 言いやがって
オレは すっかりやられてしもうてね

いい加減で レストランを出たオレは
近くにある アスレチックをやったり 海を見たりして

苦笑いしながらも
とうとう4時まで あいつを待っちまった

仕事ば終わらかして 出てきた女が

「やっぱ 待ってくれとうて信じとったっちゃん」

そう言って オレの腕にしがみついてくる

ここまでは いい話やろ
ほのぼのとした 甘酸っぱい青春たい

それがたい

「今日は 夜まで帰らんでいいっちゃろう?
  友達の部屋 貸してもらっとっちゃんね」

って 言うわけよ

なんでも 

一人暮らしの女が 今日は彼氏の家に泊まるんで
そいつの部屋が 空いているという話で

ちゃんと鍵も持ってんだとよ

それ聞いたら なんか

今日の朝からの一部始終、、、
これ こいつの計画通りってわけか?

という気がしてきて

「おまえ けっこう怖いやつやね〜」

て 言うたら

「なんがよぉ〜?」

て 言うけん

「最初からバイトて言うたらオレが来んと思うて
   うまいこと朝から呼び出したっちゃないとや?」

言うたら

「ふふ〜ん よう分かったや〜ん」

って 笑いやがった

やっぱ 女ってこえ〜

ま 可愛いから許すけど、、、。