先輩は辛い 其の二

困ったなぁ〜

オレは 

とりあえず後輩の T に向かって

「誰にでん ガンたれるなて言うたろうが コラァ〜!」

って 怒鳴っておいて

「すんませんがおたくら どこの人すか?」

って 聞いたら

「ああ? オレたちは 吉塚のもんたい!」

って言うんよね

キタッ と思った、、、

ここが ハッタリの勝負どころよ

「へぇ〜 あの辺悪いもんねぇ〜  そうや! そんならさ
  金平の 朴さんやら 知ってんじゃないの? あと 李さんとか、、、」

そいつらの顔色が一瞬 固まった、、

「まあ、、知っとうちゃ、、知っとうばってんがねぇ、、、」

ほらね

オレの 読み通り 

面識もないし 
完全に ビビり始めたなって それ分かった

そりゃそうだろ 

あの頃 その二人の名前は恐れられてて
できれば会いたくない種類の人間やったもんね

オレだって 全然 知らねぇよ ホントは

でも かましてやった

「ダチつながりでさぁ 女ば紹介した格好になっちゃったもんやから
     オレ あの二人に けっこう可愛がられたりしとんよね〜」

「ああ、 そ、そうなんだ、、、」

「よかったらヨロシク言っとくよ!」

「あ、 いや別にいいよ、、」

てな わけで

「ま、どうでもいいけど 後輩は ちゃんとシメとけよ!」 

みたいに

ちょっと凄んで見せてから そいつらは去って行ったよね

まあ 

なんとかなった

背中から 変な汗 じと〜って感じやけど
大変なのは これからだよ

この嘘が バレでもした日にゃ〜よ

オレら 

今度こそ 本格的な半殺しに あっちゃうもんね

そんで入念に 気を付けて
吉塚方面には 遊びに行かないようにして

素敵な高校生活ば 送らないかんもんね

「先輩、、すんませんでしたぁ、、、、」

T が しょぼくれて言う

「おお よかよか 気にすんな」

って 言ってやったら

「先輩、、ハッタリ うまいっすねぇ〜」

って 言いやがったんで

バコ〜ンって

思いっ切り頭を ぶっ叩いてやった 

げな。