こえだめ 事件

東区の 

宮地嶽線っていう電車の
和白駅で降りれば

すぐ近くに 和白干潟が広がっとるよね

そんで ひとつ川があって
そこ渡ったら でかい畑があるわけよ

そこに 三つぐらい
「こえだめ」 があった

オレらは 小学校ん時から
わざわざ臭いば かぎに行ったり

棒に少し取って 
追いかけっこやらして 遊びよったよね

その日も 

ぷらっと悪ガキ三人で 
煙草でも吸うて

海でも見て、、 浜千鳥が可愛いぜ〜て
オレが言いようとに
 
相変わらず がさつなダチの F が 

「こえだめが乾いとうじぇ!」 て 言うたけん

「ほんなごとや〜? よーと見てんやい」 って

オレは言いながら 笑いばこらえて
うしろから でかい石ば 投げ込んでやったとよ!

そしたら 

どっぷん って 音がして

真っ黒い表面の下から 真っ黄色のこえが はねあがって

F のボンタンに 飛び散ったわけたい

「貴様ん! なんしようとや〜!」 って

F が当然のごと ブチ切れて
猛然と飛びかかってきたばってん

めっちゃ臭いし くらされそうやもん

オレは全力で逃げ散らかしたくさ

オレは 逃げながら

「おい! 悪かったけん! 謝るけん!
     とりあえず 海で洗わんや〜?」

て 言うたらくさ

F が くるっと海に向かって走り出して

財布と煙草と時計ば 放り投げといて
ザブンと 海に飛び込んで 洗いんしゃったばい

そっからが もう

海に一緒に入れだの 絶対に許さんだの
友達の縁ば切るだの 10万円の弁償だの

ぐだぐだぐだぐだ

くそみそのごと F に怒られて

ノーカットのエロ写真ば差し出すことと
博多女子の女ば 一人以上紹介することで

やっとこ 許してもらえたんよね

それに やつのズボンが乾くまで ボケ〜として
暗くなってもうての とぼとぼ 帰り道


「ほんと、 高いボンタンが汚れて、すまんやったね、、、」

「おお、、、もういいけん 二度とすんなよ!」

「そういやあ おまえくさ」

「なんや?」

「初日の出ん時から うんこまみればっかいやね」

「貴様ん コラァ〜!」


というぐあいで

また 追いかけっこが始まったげな〜って

話でした。