淫乱な ブリ子

オレは だいたい

人生で 淫乱な女と関わった事ないけど

二年の夏ぐらいから

近所の色男の Y んとこに
淫乱なブリ子が二人 出入りするごとなって

呼ばれろうね〜て 思いよったら
やっぱ Yから電話のあって

「酒と女ば用意したけん、ちょっと来やい」

て いうことやった

オレは ぷらっとジャージで行ってみたんやけど
部屋に入るなり ブリ子が

「ヒュ〜! よか男が来たばい〜」

言うて 

オレに酒ば 飲ます飲ます

ほんで 自分らも煙草ば片手に べろべろ飲んで
オレらに抱きつくわ、 煙草の灰は落とすわ ひでーし

「あたし あんたやったら いつでもいいよ」

やら 

なんか やる気なくすこと言うしねぇ

オレは 攻めて燃えるタイプだけに
押し売りってのは 萎えるんよ

顔はまあ ブスではなかった、、、と思う

というのも テレビドラマで スケ番がチリチリのパーマで
ド派手な化粧しとるよね 

あれ そのまんまだから

一人は可愛くてデブ  一人は細いけどちょい可愛かった
、、、と思うしか 言えねぇな

その二人の 

デブの方が ダチの Y にぞっこんなんで
最近よく 遊びに来とるらしいのね

でも Y が なかなか手ば出さんけん

(そりゃそうやろ Yには めちゃんこ可愛い彼女がおるもん)

デブが電話で 

その相談ばオレにしてきて

オレがてきとうに 恥ずかしいんじゃねーのかって
誤魔化してやったら

今度はその女が Y に
りょうちゃんが 根性なして言いよった やら言うてくさ

危うく男の友情にも 亀裂が入るとこやったとばい

ああいう

やらせて可愛がってもらって
パープリンのまま 楽しい毎日っていう女

昭和の頃は けっこういたんだよね〜

そうね〜

人間 やりっぱなしで生きとると 確かに気分はいいけども

高校も 三年ぐらいになってくると
悪かった男も 少しずつ落ち着いてきて

就職の事やら 考えるじゃない

そうなった時に 取り残されるんだよね

しょうがねーから

「スナックで働きはじめたから 来てね〜」

なんつっても 誰も行きゃしねぇし

男が 嫁さんば選ぼうとするなら
やっぱ 仕事関係の真面目そうな女に目が行くからね

ブリ子からの電話は

「忙しい」 で 

だんだんに 無視してしもうた気がするよ

青春って 残酷なもんだね。