夏の合宿 其の三

放課後、、、

とりあえず 3人 集まって

「よかや、、腹決めたや?」 

って 言うて

毛穴が開こうごたあ 恐怖にかられながらも

オレら 部室に顔出した

「はよ来んかぁ〜 おらぁ!」

「どこがいいや? おお! 顔や、 腹や、」

3年の怒声が すげーわけ

前も書いたけど

部室って 長屋のごとなっとうけん

今から何が行われるか
他のクラブのやつも 知っとうたいね

だけん、 し〜んとしとった

「どうも すいませんでした、、、」

言うた途端に

ボコ〜ッ て 蹴られて ドド〜ッと倒れ込んだオレは

こんな状況なのに 
ボンタンが汚れたことが なんかムカついた

そしたら キャプテンの M さんが


*注  Mさんと言えば、 野焼の臭いで死んでもいいやら、
     鶏が死ぬほど怖いやら、犬鳴峠での怪事件やらの先輩


「おまーち! もうやめとけ、これらちに煙草やら
   買いに行かせとろーが、 オレらも同罪たい」

って 言うてくれて 

なんとオレら、、

ほとんど殴られんやったとです


考えてみたら こういう状況 
男の人生に ときどきあるよね

完全に怒られるって思ったら 意外に助かるケース

許せる悪さと 許せない悪さって言うか、、、

もし オレらが最初に

校長室に入ったこと 隠そうとしたら
多分 先輩に半殺しにされとったろうね

そこらへんの 「いさぎよさ」 みたいなもん
昭和の不良は 持っとった気がするよね

ま、 とにかく助かって

「男の怒りどころ」 のカッコよさを

勉強したなオレ。