天神地下街 其の二

* 続き、、、


一人は黒のスーツ
一人は白のジャケットに グラサン

うわっ やーこだ
ほんまもんの構成員や、、 

オレら 

そいつらが 完全にぶつかる角度で
歩いて来よるて 分かっとったけん
 
肩を当てに来た瞬間に引いて
さらっと かわした

ま、 ちょっとは修羅場くぐっとるけんね
うまくやれたわけね

「おお〜 今んと ヤバかったねぇ」

「ほんなごとやね〜」

「あいつら まっぽしこれぜ、これ」

って 

オレがほっぺたに指で線ひいて
ダチに笑いかけた そん時やった

「コラ おまえらち、誰がこれや」

白のジャケットが、、、すぐ後ろにおった!

「いや、違うとですよ!」

オレはもう 必死で弁解して逃げろうとしたばってん

「なーもせんけん、ちょっと来てんやい」

そう言われて

こらヤベーと思ったけど 儲け話があるって言うんで 

女たちを 茶店に入れて
オレらは外の ビルのすき間の路地に付いて行った


話は意外な展開で

おまえらちは 見込みがあるけん

まず うちの構成員にならんや? て言われ
次に あの女たち 売らんや? て言われ

「いや勘弁して下さい 僕たち悪いことしきらんとです」

「普通の高校生なんです」

「あの女たちも 大切な存在なんです」

とか なんとか 反省した顔で言うても

一人100万出すぜ、、いや150万でもいいぜ やら 
めっちゃ ひつこくて

やっとこ 解放してくれる間際には

「オレは 00組の銀次やけん 何かあったら言うてきやい」

って

とても心温まるお言葉も頂きつつ

ほっと 胸ば撫で下ろして
女たちの待つ 茶店に戻ったとはいいばってん

「もう 遅かぁ〜あんたーち」

「それで どげんやった? どげんやった?」

って

女たちが うるさくてね

「なん ビビっとうとよ あんたらち!」

「だいたい堅気に手ば出しきーわけなかろーもん!」

やら 

糞のごと 言いやがるもんで

マジ 売りゃあ良かったな こいつら

そう 本気で思った

春の日の 昼下がりやった。