初日の出 1978

東区に 立花山ってあって

そこは オレら水泳部が冬場に登って訓練する場所でもあって
知り尽くした 山たい
だけん 初日の出も そこでいいやんってなった

悪ガキ三人で 徒歩で
道すがら 何か悪いことやれねえかなぁーなんてね


オレらは 最終電車で香椎まで行っといて
とりあえず空いてる居酒屋で 酒でも飲んで
深夜営業のスーパーで ビールやらワンカップやら買って
ぼちぼち 登って行ったわけたい

あの頃はね コンビニやら無くてね
なんでも買って持っとかな いかんやった時代やったからね



頂上に着いたら まだ3時で、
寒いし することないから持ってきた酒ば 
たき火を囲んで 全部飲んで ベロベロになってしもうて

喧嘩の話題から ほんとに掴み合いになったり
マジな恋愛の相談を受けたり、、、
突然 ウォーッと叫んで全裸で走りまわって笑ったり


そして ダチの Y が うんこしに行ったきり帰ってこんごとなった!
こりゃ ヤバイことになったぜ〜
あいつ 崖から落ちとうごたあぜ〜

オレは もう一人の M と必死で捜したくさ
そしてしばらくしたら崖の下から Y が這い上がって来たんで
オレらは 本当にホッとしたばい 

死んだ〜っ と思ったら  Y は生きとったもん
ベロンベロンで笑いよった

うんこ臭くて気分が悪かったばってん
とにかく パンツでケツを拭いて パンツは捨ててもらって
頂上に戻ったら
 
Y がさっきやった自分のうんこに座ってしまった

オレら それ見て ついにゲロゲロ〜って吐いてしもうた


そんな バカやってると やっと初日の出の登山客が増えてきて
オレらは大学生のグループの宴会にまぜてもらうことになったんよ

綺麗な姉さんがいたんで 
ガンガン攻めて電話番号ば聞いちまった〜 ラッキー!


そんで さっきのうんこ話で 大爆笑をとり
暖かいスープや熱燗もごちそうになって幸せいっぱいの中
美しい 初日の出 を見ることもできた

今年は2年にあがれる
いい年になんのか、、波乱の年なのか、、、


学校が始まった時の Y のあだ名は当然

「うんこ野郎」 に決定した げな。