親父との確執

15才ぐらいから オレは家庭内で孤立状態やった

親父が 毎日のごとオレば怒鳴り散らすけん
お袋も妹も 何も言えず黙っとるしかできんやった

たまに言い返したら、決まって掴み合いになってしまい
そこらへんの灰皿やら急須やら 投げつけられた
親父の気持ちも そりゃ分かるよ
オレは しょっちゅう補導されて派出所に呼ばれるからね

でも、オレの心の中で 親父との確執は
小学校5年の時から もうあったんよ


あの時、オレは転校生で 大分弁を馬鹿にされ
学校の帰りに いきなり二人組に殴られた
それから毎日 殴られるようになって
ついに登校拒否したら 親父が学校の担任に会いに行ったわけ
担任は女の先生で いじめの事実を認めたくない感じで
ホームルームでちらっと発表した程度で済ませた

それで どうなったと思う
オレはクラスで噂のチクリ野郎になっただけの話よ
今までより さらに激しく殴られることになっただけやった

だから オレは自殺なんかを選ばず
逆襲して不良になって いじめ返してやったんだ
それしか 生きる道がないって そん時は思ったけんたい

親父は真面目な人間やったから、どうなるか知らんやった
学校に行った自分が父親らしい事したと思っただろうが
オレの人生で一番苦しい時、全然 頼りにならんやった

そこから 多分現在まで
親父を頼りにする気持ちや、親父の教訓を聞く気持ちや
親父をもっと理解しようという気持ちを
持ったことが 一度もないね

悲しいけど、キレイごとじゃなくて 事実やし
親子でも 本当の事は分かってないという人
案外 多いんじゃないかなぁ。

どうすか?