篠崎先生

僕は いろいろな色を「草木染」で作りますが
草木では出せない、 もしくは出しにくい色があります
例えば、、真っ黒や青色系、緑色系、紫色系 などがそうです

また、お客様から どうしてもこの色で、、という注文を頂き
色見本通りの色彩が必要な時もあるでしょう
そんな時は、やはり染色の伝統工芸士の先生にお願いして
糸を染めてもらいます

ここは、市内にある篠崎先生の染色工房です
僕の注文はいつも単位が少なくて申し訳ないのですが
僕はどういうわけか、いつも可愛がってもらっています
あまり人を尊敬するタイプではない僕も
篠崎先生は尊敬しております

ただし先生は信頼感がある相手としか付き合いませんし
知らない電話も一切取りませんので会社紹介は 割愛させて頂きました


染料は外国製で高価なもの
基本的に 茶色、黄色、赤色、青色などを調合して
こちらが持参した色見本などを見ながら
まったく同じ色を作り出して染めてくれます

その感覚というか、勘を養うために何十年も真剣に貪欲に
朝 まだ暗いうちから働いておられまして
もう70を越えてるとは思いますが
今でも その姿勢は変わらないなぁ、すごいな〜と思います

染色というのは重労働です、水を吸った糸の束は重いですし
釜から出す糸は熱湯浸けで夏場の工房は40度を超えています
だから先生は一年中 染料が付いた肌着一枚です

先生は一日でも長く 染色屋を続けていけるように
筋力トレーニングも欠かさず行っておられます

先生の染物がなぜ高度なのかというと
先生自身が日本の伝統色にこだわっていて、
こちらの色見本よりさらに深みのある色にするため 
隠し味的な細工をしてくれるからです

しかし
この素晴らしい技術も勘も 先生一代限りで後継者はいません
とても残念なことです
染色の修行をやりたい方がいたら、ぜひ紹介いたします!