初めての 全国高校水泳大会は 残念ながら
予選タイムばクリアーできんで オレは出れんやったけど
先輩の応援で試合会場の 「修猷館高校」 に行った
ここは福岡じゃ スゲー頭いい学校ばい
３年の Sさん、Dさん、Tさん（ボコボコにされた奴）の
３人だけが遅いけん 心配しよったら
遠くから ウォンウォンウォ〜ン とバイクの音
まったく同じ フォーインワン が３台 タンクが赤と青と黄色
ゴレンジャーのような 先輩たちやった！
そして修猷館の敷地に乗り込んできて
ヘルメットをとって アロハの前を開けて
リーゼントに櫛ば入れて
「確か 今日やったよな 試合」って
あんたら カッコ良すぎやろうもん
先輩たちは よその学校のもんを おまえって言うばってん
よそのもんは あんたって言う それも シブイ！
オレたちは先輩のために 日陰の多いプールサイドに陣取って
はちみつレモンやら 麦茶やら用意せないかんやった
先輩はいつも 口癖のように言う
「おまえら なめられんごとしとけよ、３年まで毎年会う連中やけん
最初から ガンガン文句言うてこい、何かあったらオレたちば呼べ」
そう言われりゃ やるでしょ
誰にでも ガンたれまくって ついに福岡工業の３年に捕まった
「おまえら１年やろうがぁ！ しめ殺すっそきさん！」
そう言われたから オレ言った
「１年がどうした、文句あるなら九高のテントに来んか」
そう言うと 「もういい、向こう行け！」 で終わった
戦争には なりたくなかったんだろうね
まあ これには理由がある
水泳部に所属している中でのヤンキーなんて
たかが知れとる ということ
しかし 先輩が強いと誇り高い気持ちになるね
会社の上司も こんなだったら日本も変わるんじゃねえか
オレは人生の中で 何人かは
そういう 「男」 に出会ったことあるよ。
