バイク ぱがし事件

警察に補導されてからは親父が
「バイクの免許は取ったらいかんぞ!」
毎日のごと言いやがった 

そげんと知るや オレは無免許ば持っとるけんよかくさ
そんなバカには やっぱバチが当たる


オレたちはよく ダチの小さいバイク借りて乗りまくったり
昔は原っぱがあったけん ジャンプ台作って遊んだりしよった
カブとかモンキーとかダックスとかやったね
昔はノーヘルやら草履は普通やった


その日は ダチのUの車庫から勝手にバイク出して
ちょっと駅まで行きよったら
車に当たりそうになって 壁に激突したったい

「大丈夫ですか〜?」 って言われたけど無免許じゃ
「全然どーもないっす!」 って言うしかないやんね

ばってん 金玉打って吐きそうやし
いろんなとこが 痛いし
ヘッドライトやらミラーは割れとうし
フロントホークまでが少し曲がっとったったい

「こらヤバイ Uに弁償させらるう、、、」

そう思って こっそりバイクば車庫に入れて
帰って部屋で寝とったら Uから電話たい

「オレのバイクが ぱげとうばってん、おまえ知らんや!」

*(地元では、壊れている事をぱげとうって言う)

「オレは知らんぜ! 誰や、捕まえてくらそうぜ!」

*(地元では殴る事を くらすと言う)

そう言ってしまったオレは もう引き返せんごとなって
ガンガン ダチに電話して聞きまくり

仲がいい奴には本当のことを言って
黙っててくれって頼みこんだわけたい

結局 バレずに済んだばってん
Uは なんとなくオレを疑っとる感じで
だからこそ 一番最初に電話してきたんだろうし
それ以来 あんまりオレと遊ばんごとなってしもうた

今だから言います すんませんでした。