じいさん と ばあさん

うちは両親が健在で 今年二人とも73才
親父は町内の役員など、とりわけ人前でしゃべることが
大好きなので忙しい日々です

しかしお袋は、最初から専業主婦だし
子育てが終わってもこれといって趣味も持たず、
得意なものもなし、、、
用事がなければ一日、テレビを観ています

料理や庭の手入れ、家族のことにも徐々に興味が薄れ
当然のことながら、物忘れがひどくなっています

そんな母を、親父がひどく叱ります
昭和初期の時代は、 貧乏してても女房に働かせず
身の回りの世話を献身的にさせる夫が多くて
うちも父親中心の家庭でしたから
親父は僕らの誕生日もクリスマスも、特に何も無し!

でも母は無いお金をやりくりして海水浴や動物園などに
連れて行ってくれました、僕は母が大好きです、
そんな母を親父がひどく叱ります

あれは孤立していく恐怖からくるものでしょう
母が相手にしなかったら父は孤独となり孤立します
テレビに向かって罵声を浴びせ続ける親父に
僕ら家族は辟易しているからです

もともと人間は自我意識の中だけで生きていますけれども
男は特に母子の間には割って入れない動物だから
つねに孤独感とは闘っているはずです
僕も、実はその一人ですけど、、、

しかし以前にも書きましたが、人はどれだけその人と
向き合って理解して生きてきたかが大切なのです
人が言っている事に、耳を傾ける人間になりたいものです