崚の考え 2012 其の一


中高年なら誰でも知っている三船敏郎さん
これはクロサワ映画、用心棒の写真です、この時の名前は
桑畑三十郎で、二作目に椿三十郎となります

彼は、着の身着のままの浪人で放浪の旅をしています
誰に迷惑をかけるわけでもなく古い祠で寝たりしています
しかし相当に腕が立ち、
そして弱いものいじめが大嫌いです
昔はそこそこの家の武士だったのかも知れませんが
なぜそんな生活をしているのかと尋ねれば
彼はきっと、わからんと答える筈です

僕もよく人から尋ねられます
なぜ、どんな理由で着物を作るようになったのか、、
そしてどうしていきたいのか、販路は?ビジョンは?

わかりません、作りたいから作るのみ
わかるような人間ならこんな絶望的な伝統工芸の道なんか
進みません、  が、開き直ってはいません
唯一無二の存在になろうと思います 
毎週の会議のネタの様に、もっともらしい
セリフは何もありません

商売がしたいのでもありません
長い間サラリーマンをして、安定した生活をしてみて
それが幸せだとは思えませんでした

会社に所属しての安定した生活からは、無駄使いを生み、
人や上司の顔色を伺い、 女の尻を目で追い、
会社の悪口や男の生き様を語ってグズグズ酒を飲み
モヤモヤとした不安感と定年までが見えている味気なさが
心をむしばみ、 自分の育った環境しか知らないのに
やたらと人に忠告や脅しや批判をするバカが偉いと勘違いされる  
そんな副産物が生まれることを経験させて頂きました

僕の知人に空手の師範代の先生がいて
道場では収入が少ないので副業もされてますが
その人も、カネにならないのになぜ空手の修行 
(タイに住みムエタイの修行もする) をしたのか聞くと
そうしたかったから と答えるだけです

どうでもいいことに必死になって馬鹿みたいでしょうが、
そこらへんのヤンキーなら数秒で失神させられるって
男という動物の完成形じゃないですか
みんな心の底では憧れている強さだと思います

目に見えなくても、自分の心にある体得の豊かさ
たった一人で己の道を切り開くどん底の恐怖に打ち勝ってこそ
はぐれた男達の真の幸福が訪れるのではないでしょうか


かっこつけすぎましたね、、誰かカネくれ