僕のかーちゃん

僕のかーちゃんは72歳、今日またバスでこけたらしい
幸い、ころんと回って怪我はしてないけど
聞いた僕は胸がチクッと痛む

僕の住宅はとても高い所にあり、道は急勾配だ
年寄りにとっては陸の孤島である
それを、買い物だ銀行だと片道20分かけて登り下り
漬物を買うの忘れたといっては、もう一度行く

出先の親父の携帯にかけて頼めばいいものを
またてくてく歩いていく
その親父はタクシーで帰ってくる

大丈夫かと聞くと、大丈夫くさと答える

いつか本当に倒れるまで、かーちゃんは
懸命に登り下りするだろう

僕はかーちゃんが出掛けそうな素振りをした時
声をかけ、車で送っていく
かーちゃんは ありがとうね と
嬉しそうに笑う